住宅ローンで固定型金利を選ぶ人が増えつつあります。
超低金利で主流となった変動型は,世の中の指標金利が上がるとローン金利も返済中に上昇し,支払いが膨らむ弱点があります。
米国の金利上昇が日本にじわりと波及する状況をにらみ,あらかじめ返済総額を見積もりやすい固定型の利点が関心を集めたようです。
「固定型」には,金利が全期間変わらない「フラット35」や,10年など一定期間固定のものがあります。
住宅ローン比較サイト「モゲチェック」を手掛けるMFS(東京)の調べでは,固定型の新規借入希望者の比率は2022年2月1~20日が8.1%で,2021年平均(5.4%)の1.5倍。
借り換えでは9.1%と1.6倍になりました。
2022年2月の「固定型」の借入金利は,基準となる長期金利の上昇を受け小幅に上がり,フラット35の代表的なケースは最低で年1.35%。
変動型より高くても固定型が注目される現状に関し,MFSの塩沢崇最高責任者(CEO)は,
「金利が上がり切る前に返済額を確定し,安心したいという心理が働いた」と分析しています。
一方,ローン市場全体では過半数が変動型を選ぶとされています。
銀行間の競争で3メガバンクの代表的な商品の平均は年0.5%を切っており,金利が安定すればお得です。
変動型の水準を左右する短期金利に関しては,日銀が金融緩和で抑え続けられるとの見方も人気の背景にありそうです。
だが急激な物価高などで政策が転換され,変動型の負担が増す可能性も否定でません。
ニッセイ基礎研究所の福本勇樹上席研究員は,
「いざという時に備えて貯蓄したり,変動型と固定型を組み合わせたりすればリスクを減らせる」と話しています。
これから住宅ローンを組む読者様は,悩ましい決断になりそうです。よく考えて,住宅ローンを選んでください。
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