一級建築士学科試験 重要ポイント整理と確認問題「構造(知識編)」04【鉄筋コンクリート構造】

学科Ⅳ構造(知識編)

材料

コンクリート

コンクリートのヤング係数は,気乾単位体積重量設計基準強度により変化する。

(補足:コンクリートのヤング係数を数式化することは容易でないので,上記の関係が成立ことだけを知っていれば良いと思います。参考にまでですが,ここ近年の構造設計では,次式でヤング係数を仮定して計算を行っています。)
E= 33,500×k1×k2×(γ/24)2×(Fc/60)1/3 [N/mm2]
  E:コンクリートのヤング係数(弾性係数)
  k1,k2:使用骨材,混和剤などにより適切な値とする
  γ:コンクリートの単位容積重量
  Fc:コンクリートの設計基準強度
  (鉄筋コンクリート構造計算基準・同解説-許容応力度設計法-(日本建築学会)より引用)

鉄筋

種類の記号例「SD 295 A」

D:種別
295:降伏点の下限値[N/mm2]
A:降伏点の上限なし(B:降伏点上限を設けて塑性変形能力を確保)

補足:2020年4月に異形鉄筋のJIS規格である「JIS G 3112:2010(鉄筋コンクリート用棒鋼)」が改正され,「JIS G 3112:2020」となったことより,現在は「SD295」のみとなっている

コンクリートと鉄筋

コンクリートと鉄筋の線膨張係数は,ほぼ等しいので,温度変化に伴う両者の「ひずみ」の差による熱応力を考慮する必要はない。

梁の断面算定

  1. 梁の許容曲げモーメントは,「圧縮縁がコンクリートの許容圧縮応力度に達したときに」及び「引張鉄筋が許容引張応力度に達したとき」に対して算定した曲げモーメントのうち,小さいほうの値とする。特別な場合として,曲げを受けた梁の引張鉄筋と圧縮縁コンクリートの応力度が同時に許容応力度に達する場合が考えられる。その時の引張鉄筋比をつり合い鉄筋比という。
  2. 引張鉄筋比が,つり合い鉄筋比以下である場合,梁の許容曲げモーメントは引張鉄筋で決まる。(コンクリートは考慮しない
    • M=at・ft・j
      j=7/8d(d:梁の有効せい)
      at:引張鉄筋の全断面積
      ft:鉄筋の許容引張応力度
      上式の j は,圧縮応力と引張応力との間の距離で「応力中心距離」という。

      引張鉄筋比pt=at/(b・d)・100 [%] ≧0.4[%]
      b:梁幅
  3. 壁部材の梁型拘束域の主筋全断面積は,特に検討を行わない場合,梁型拘束域の断面積の 0.8[%]以上とする。

柱の断面算定

  1. 柱の許容される曲げモーメントは,圧縮応力がある限度以上になると減少する。
    短期荷重時に大きな曲げモーメントが作用する柱は,
    (短期軸圧縮力/断面積)≦Fc/3
    とすることが望ましい。
  2. 柱主筋の鉄筋量は,コンクリート全断面積の 0.8%以上
  3. 柱の最小径の主要支点間距離に対する比は 1/15以上

梁・柱および柱梁接合部の剪断に対する算定

部材の剪断耐力強度)は,基本的に,コンクリートの耐力剪断補強筋の耐力との和で求めるが,一部,剪断補強筋の耐力を考慮しない場合がある。(コンクリートは,全ての場合において考慮する

梁・柱および柱梁接合部の剪断に対する算定

【凡例】R:剪断補強筋の耐力 C:コンクリートの耐力

注記:梁の長期は,剪断ひび割れを許容しない場合とする場合で,剪断補強筋の耐力の扱いが異なる。

剪断補強筋の間隔と鉄筋比

剪断補強筋比 Pw=aw/(b・x)
aw:剪断力と平行な方向の一組の剪断補強筋の合計断面積
b:剪断力を受ける部材の幅
x:剪断補強筋間隔

  • 【梁】
    剪断補強筋間隔:250mm以下かつ梁せいの1/2以下
    剪断補強筋比:0.2%以上
  • 【柱(端部以外)】
    剪断補強筋間隔:150mm以下かつ最も細い主筋径の15倍以下
    剪断補強筋比:0.2%以上
  • 【柱(端部)】
    剪断補強筋間隔:100mm以下かつ最も細い主筋径の15倍以下
    剪断補強筋比:0.2%以上
  • 【柱梁接合部】
    剪断補強筋間隔:150mm以下かつ隣接する柱の帯筋間隔の1.5倍以下
    剪断補強筋比:0.2%以上
  • 【耐力壁】
    剪断補強筋間隔:原則300mm以下,千鳥状に複配筋の場合450mm以下
    剪断補強筋比:0.25%以上

耐震設計の流れ

鉄筋コンクリート造建築物の二次設計の構造計算フロー
鉄筋コンクリート造建築物の二次設計の構造計算フロー(建築物の構造関係技術基準解説書より要約)

注記:上図において,「判断」とは設計者の設計方針に基づく判断のことである。例えば,高さ31m以下の建築物であっても,より詳細な検討を行う設計法である「ルート3」を選択する判断等のことを示している。

確認問題(YouTube)

参考文献:ポイント整理と確認問題(総合資格学院),国土交通省HP,建築関係法令集(井上書院) ,建築物の構造関係技術基準解説書(国土交通省国土技術政策総合研究所他), 鉄筋コンクリート造計算基準・同解説-許容応力度設計法-(日本建築学会),構造設計一級建築士講習テキスト(国立研究開発法人産業技術総合研究所), 鋼構造設計便覧(JFEスチール株式会社)

リンク集

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01 「構造設計の基礎
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