建築基準法における容積率を算定する場合の基礎となる床面積についてのまとめ

容積率不算入 建築基準法

近年,法改正が多い「容積率算定のための基礎となる床面積の合計に算入しない建築物の部分等の取扱い」について,建築確認申請歴約30年の一級建築士が解説します。

容積率算定のための床面積の合計に算入しない建築物の部分等とは?

確認申請書の第三面の11欄の構成

まず,確認申請書の第三面の11欄を見てみましょう。

確認申請書第三面11欄
確認申請書第三面11欄

この11欄は,毎年のように変更されています。
建築実務では常に最新の書式をチェックしましょう。

項目別に具体的に解説

各項目別に,「容積率算定のための床面積の合計に算入しない建築物の部分等」の対象となる部分および限度面積(上限)等を表形式でまとめます。

項目対象となる部分上限
【ロ】地階の住宅又は老人ホーム等の部分地階にある住宅又は老人ホーム,福祉ホームその他これらに類するものの用途に供する部分床面積の合計の【1/3】
【ハ】エレベーターの昇降路の部分エレベーターの昇降路の部分(機械室を除く。)なし
【ニ】共同住宅又は老人ホーム等の共用の廊下等の部分共同住宅又は老人ホーム、福祉ホームその他これらに類するものの共用の廊下及び階段の部分なし
【ホ】自動車車庫等の部分自動車車庫その他専ら自動車又は自転車の停留又は駐車のための施設(誘導車路等を含む)の用に供する部分床面積の合計の【1/5】
【ヘ】備蓄倉庫の部分専ら防災のために設ける備蓄倉庫の用途に供する部分(防災備蓄倉庫である旨の表示が必要となります。)床面積の合計の【1/50】
【ト】蓄電池の設置部分蓄電池(床に据え付けられるものに限る)を設ける部分床面積の合計の【1/50】
【チ】自家発電設備の設置部分自家発電設備を設ける部分床面積の合計の【1/100】
【リ】貯水槽の設置部分貯水槽を設ける部分床面積の合計の【1/100】
【ヌ】宅配ボックスの設置部分宅配ボックス(配達された物品(荷受人が不在その他の事由により受け取ることができないものに限る。)の一時保管のための荷受箱をいう。)を設ける部分床面積の合計の【1/100】
(容積率算定のための床面積の合計に算入しない建築物の部分の概要表)

項目別における「容積率算定に係る技術的助言等」

上記の表の作成にあたり,公的機関による文章を掲げておきます。
項目別に整理してあります。参考にしてください。

【ロ】地階の住宅又は老人ホーム等の部分

平成6年6月29日付け 建設省住街指発第74号

建築基準法の一部を改正する法律等の施行について(抄)

第一 住宅の地階に係る容積率制限の不算入措置について

1 対象となる住宅の範囲について
建築基準法(以下「法」という。)第52条第2項の規定により建築物の地階で住宅の用途に供する部分を当該建築物の住宅の用途に供する部分の床面積の合計の3分の1を限度として延べ面積に不算入とする措置(以下「住宅の地階に係る容積率の不算入措置」という。)の対象となる住宅とは、一戸建ての住宅のほか、長屋及び共同住宅を含むものであること。

2 住宅の用途に供する部分について
法第52条第2項の住宅の用途に供する部分とは、住宅の居室のほか、物置、浴室、便所、廊下、階段等の部分なども含むものであるが、特に、共同住宅の場合には以下の考え方を参考とされたい。なお、住宅の用途に供する部分の判定に当たっては、建築確認、完了検査等の際に、その構造、設備等が住宅の用途に供される目的で建築されていることが明らかであることについて、特に慎重に判断すること。また、必要に応じ、壁、床等により住宅部分とそれ以外の部分とが構造上明確に区分されるよう指導すること。
(1) 共同住宅の住戸の用に供されている専用部分は、住宅部分として取り扱うこと。したがって、各戸専用の物置はこれに該当するものとして取り扱うこと。
(2) 共用部分のうち、住戸の利用のために専ら供されている部分は、住宅部分として取り扱うこと。したがって、一定の階の専用部分の全てが住宅の用途に供されている場合の当該階の廊下や階段等の部分、冷暖房設備や給排水設備で同一建築物内の住宅の用に供するために設けられるものや管理人室など通常共同住宅の一部を構成する施設部分もこれに該当するものとして取り扱うこと。

3 対象となる地階の部分について
住宅の地階に係る容積率の不算入措置の対象となる地階の部分の判定に当たっては、以下のとおり取り扱うものである。
(1) 地階の部分は、令第1条第2号に規定する地階のうち、その天井が地盤面からの高さ1メートル以下にあるものとした。
(2) 地盤面は、建築物が周囲の地盤面と接する位置の平均の高さにおける水平面とし、その接する位置の高低差が3メートルを超える場合は、その高低差3メートル以内ごとの平均の高さにおける水平面をいうものであること。したがって、一敷地内に複数の異なる高さの地盤面がある場合には、それぞれの地盤面ごとに住宅の地階に係る容積率の不算入措置を適用する地階の判定を行うこととした。
(3) 天井の高さは、室の床面から測り、一室で天井高さが異なる部分がある場合においては、その平均の高さによるものとし、これにより定まる高さが(1)及び(2)に適合する場合に当該室を地階として取り扱うこと。

4 他の容積率の特例制度等との関係について
既存の容積率に関する特例制度等と住宅の地階に係る容積率の不算入措置との関係については、以下のとおり取り扱うものとすること。
(1) 住宅に店舗等が併設されている建築物については、当該建築物の住宅の部分の床面積の合計の3分の1を限度として、住宅の地階に係る容積率の不算入措置が認められるものであること。
(2) 建築基準法施行令(以下「令」という。)第2条第1項に規定する専ら自動車又は自転車の停留又は駐車のための施設(以下「自動車車庫等」という。)は住宅の用途に供する部分には含まれないこと。従って、住宅に自動車車庫等が附属している場合は、住宅の地階に係る容積率の不算入措置と令第2条第1項の規定が併せて適用されること。

建設省(現国土交通省)より引用

平成27年5月27日付け 国住指第558号・国住街第40号

建築基準法の一部を改正する法律等の施行について(抄)

第5 容積率制限等の合理化(法第52条第3項関係)
(1) 老人ホーム、福祉ホームその他これらに類するものについて
法第52条第3項に規定する老人ホーム、福祉ホームその他これらに類するもの(以下「老人ホーム等」という。)に該当するものは、居住のための施設としての継続的入所施設である社会福祉施設、有料老人ホーム及び更生保護施設であり、その具体例は以下のとおりである。
① 老人福祉法にいう認知症対応型老人共同生活援助事業に係る共同生活を営むべき住居、養護老人ホーム、特別養護老人ホーム、軽費老人ホーム及び有料老人ホーム
② 児童福祉法にいう児童自立生活援助事業に係る共同生活を営むべき住居、乳児院、母子生活支援施設、児童養護施設、障害児入所施設及び児童自立支援施設
③ 生活保護法にいう救護施設、更生施設及び宿所提供施設
④ 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律にいう障害者支援施設、宿泊型自立訓練に係る施設、共同生活援助に係る共同生活を営むべき住居及び福祉ホーム
⑤ 売春防止法にいう婦人保護施設
⑥ 更生保護事業法にいう更生保護施設
なお、高齢者の居住の安定確保に関する法律(平成13年法律第26号)第5条第1項に規定するサービス付き高齢者向け住宅については、住宅に該当するものについては従前より法第52条第3項の地階に係る容積率の不算入措置の対象であるが、老人ホーム等に該当するものについても対象となることとなる。
(2) 老人ホーム等の用途に供する部分について
老人ホーム等の用途に供する部分とは、老人ホーム等の居室のほか、物置、浴室、便所、食堂、調理室、事務室、宿直室、廊下、階段等の部分も含むものであるが、特に、老人ホーム等の用途に供する部分とその他の用途に供する部分が複合している建築物の場合には、以下の考え方を参考にされたい。
① 共用部分のうち、専ら老人ホーム等の利用のために供されている部分は、老人ホーム等の用途に供する部分として取り扱って差し支えないこと。
② 共用部分のうち、専ら老人ホーム等以外の利用のために供されている部分は、老人ホーム等の用途に供する部分として取り扱わないこと。
③ ①及び②以外の共用部分については、その床面積の合計に、当該建築物における老人ホーム等の用途に供されている部分等(老人ホーム等の用途に供されている部分及び共用部分のうち、専ら老人ホーム等の利用のために供されている部分)の床面積の合計と老人ホーム等以外の用途に供されている部分等(老人ホーム等以外の用途に供されている部分及び共用部分のうち、専ら老人ホーム等以外の用途の利用のために供されている部分)の床面積との合計のうち、老人ホーム等の用途に供されている部分等の床面積の合計が占める割合を乗じて得た面積を老人ホーム等の用途に供する部分の床面積に含めて差し支えないこと。
(3) 老人ホーム等の地階に係る容積率の不算入措置の対象となる地階の部分について老人ホーム等の地階に係る容積率の不算入措置の対象となる地階の部分は、その天井が地盤面からの高さ1メートル以下にあるものとしているところであるが、地盤面とは、建築物が周囲の地面と接する位置の平均の高さにおける水平面をいい、その接する位置の高低差が3メートルを超える場合においては、その高低差3メートル以内ごとの平均の高さにおける水平面としている。
また、地方公共団体は、土地の状況等により必要と認める場合においては、政令で定める基準に従い、条例で、区域を限り、地盤面を別に定めることができることとしているので留意されたい。
(4) 他の容積率の特例制度等との関係について
容積率に関する既存の特例制度等と老人ホーム等の地階に係る容積率の不算入措置との関係については、以下のとおりとなる。
① 令第2条第1項第4号イからホまでに規定する部分の床面積を延べ面積に不算入とする措置は、老人ホーム等の地階の部分に係る容積率の不算入措置と併せて適用されること。
② 法第52条第3項に基づく老人ホーム等の地階の部分に係る容積率の不算入措置の適用に当たって、老人ホーム等の用途に供する部分の床面積にはエレベーターの昇降路の部分の床面積は含まれないこと。

国土交通省より引用

【ハ】エレベーターの昇降路の部分

平成26年7月1日付け 国住指第1071号・国住街第73号

建築基準法の一部を改正する法律等の施行について(抄)

第1 エレベーターの昇降路に係る容積率制限の合理化関係(法第52条第6項並びに令第135条の16及び令第137条の8関係)
共同住宅の共用の廊下又は階段の部分に加え、エレベーターの昇降路の部分の床面積についても、容積率の算定の基礎となる延べ面積に算入しないこととした。これは、建築物の用途を問わず、令第129条の3第1項第1号に規定するエレベーターの昇降路の部分に適用されるものである。このため、エスカレーターや小荷物専用昇降機のほか、エレベーターの昇降路の部分に該当しない機械室等には適用されないことに留意が必要である。
また、容積率に関する既存の特例制度等とエレベーターの昇降路の部分に係る容積率の不算入措置との関係については、以下のとおりとなる。
(1) 令第2条第1項第4号イからホまでに規定する部分の床面積を延べ面積に不算入とする措置は、エレベーターの昇降路の部分に係る容積率の不算入措置と併せて適用されること。
(2) 法第52条第3項に基づく住宅地下室の容積率の不算入措置の適用に当たって、住宅の用途に供する部分の床面積にはエレベーターの昇降路の部分の床面積は含まれないこと。

国土交通省より引用

【ニ】共同住宅又は老人ホーム等の共用の廊下等の部分

平成9年6月13日付け 建設省住街発第73号

都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律の一部の施行について(抄)

1 対象となる共同住宅の範囲について
建築基準法(以下「法」という。)第52条第4項の規定により共同住宅の共用の廊下又は階段の用に供する部分の床面積を延べ面積に不算入とする措置(以下「共用廊下等の部分に係る容積率の不算入措置」という。)の対象となる共同住宅は、共用の廊下又は階段の用に供する部分を有する全ての共同住宅であり、分譲の共同住宅及び賃貸の共同住宅を含むものである。
また、共同住宅の住戸で、事務所等を兼ねるいわゆる兼用住宅については、本制度の対象となる共同住宅には該当しないものである。

2 対象となる共同住宅の共用の廊下又は階段の用に供する部分(以下「共用廊下等の部分」という。)について
共同住宅の共用の廊下等に係る容積率の不算入措置の対象となる共用の廊下等については、以下のとおり取り扱うものとする。
(1) 共用の廊下の用に供する部分には、いわゆるエントランスホール及びエレベーターホールで共用のものを含むものであり、収納スペース、ロビーとして区画された部分等の居住、執務、作業、集会、娯楽又は物品の保管若しくは格納その他の屋内的用途に供する部分を含まないものであること。
(2) 共用の階段の用に供する部分には、階段に代わる共用の傾斜路の部分を含むものであり、昇降機機械室用階段その他特殊の用途に用いる階段の部分を含まないものであること。

3 共同住宅の用途に供する部分とその他の用途に供する部分が複合している建築物の取扱いについて
共同住宅の用途に供する部分とその他の用途に供する部分が複合している建築物に対する本規定の適用については、以下のとおり取り扱うものである。
(1) 専ら住戸の利用のために供されている共用廊下等の部分は本規定の対象とすること。たとえば、一定の階の専用部分の全てが共同住宅の用途に供されている場合には、その階の共用廊下等の部分は本規定の対象とすること。
(2) 専ら住戸以外の利用のために供されている共用廊下等の部分は本規定の対象としないこと。
(3) (1)及び(2)以外の共用廊下等の部分については、その床面積の合計に、当該建築物における住戸の用に供されている専用部分等(住戸の用に供されている専用部分及び共用部分のうち、専ら住戸の利用のために供されている部分)の床面積の合計と住戸以外の用に供されている専用部分等(住戸以外の用に供されている専用部分及び共用部分のうち、専ら住戸以外の利用のために供されている部分)の床面積との合計のうち住戸の用に供されている専用部分等の床面積の合計が占める割合
を乗じて得た面積を共用廊下等の部分の床面積に含めて取り扱うこと。

4 その他の容積率に関する特例制度等との関係について
既存の容積率に関する特例制度等と共用廊下等の部分に係る容積率の不算入措置との関係については、以下のとおり取り扱うものである。
(1) 建築基準法施行令第2条第1項第4号に規定する専ら自動車又は自転車の停留又は駐車のための施設の用途に供する部分の床面積を延べ面積に不算入とする措置は、共用廊下等の部分に係る容積率の不算入措置と併せて適用されること。

建設省(現国土交通省)より引用

平成30年9月21日付け 国住指第2075号・国住街第188号

建築基準法の一部を改正する法律等の施行について(抄)

第3 老人ホーム等に係る容積率規制の合理化(法第52条第6項関係)

1 「老人ホーム、福祉ホームその他これらに類するもの」について
法第52条第6項の規定の対象となる「老人ホーム、福祉ホームその他これらに類するもの」(以下「老人ホーム等」という。)は、法第52条第3項の規定の「老人ホーム、福祉ホームその他これらに類するもの」と同一であり、これに該当するものは、同項の運用に係る細目を定めた「建築基準法の一部を改正する法律等の施行について(技術的助言)」(平成27年5月27日付け国住指第558号、国住街第40号)のとおりである。

2 共用の廊下等の扱いについて
老人ホーム等の共用の廊下又は階段の扱いについては、共同住宅の共用の廊下又は階段と同様であり、既にその運用に係る細目を定めた「都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律の一部の施行について(技術的助言)」(平成9年6月13日付け建設省住街発第73号)を参考にすること。

国土交通省より引用

【ヘ】備蓄倉庫の部分

平成24年9月27日付け 国住指第2315号・国住街第113号

建築基準法施行令の一部を改正する政令等の施行について(抄)

第1 容積率の算定の基礎となる延べ面積の算定方法の合理化(令第2条第1項第4号並びに同条第3項関係)

2 適用対象について
本規定は、建築物の用途を問わず、令第2条第3項に規定する割合を上限として、以下に掲げる部分に適用される。

(1) 防災用の備蓄倉庫の用途に供する部分(以下「備蓄倉庫部分」という。)
「専ら防災のために設ける備蓄倉庫」とは、非常用食糧、応急救助物資等を備蓄するための防災専用の倉庫であり、利用者に見えやすい位置に当該倉庫である旨の表示されているものをいう。

3 適用範囲について
本規定を適用させる部分については、壁で囲われた専用室であることを原則とする。ただし、蓄電池設置部分、自家発電設備設置部分及び貯水槽設置部分にあっては、壁で囲われた専用室でなくとも、当該設備を設けるために必要な範囲において、他の部分と明確に区画されていれば、当該部分の床面積を不算入として差し支えない。

4 他の容積率特例との関係について
本規定と適用対象が重複する容積率特例について、当該特例が適用となる部分の床面積の算定に際し、本規定の適用により不算入とした部分の床面積は含まない。

国土交通省より引用

【ト】蓄電池の設置部分

平成24年9月27日付け 国住指第2315号・国住街第113号

建築基準法施行令の一部を改正する政令等の施行について(抄)

第1 容積率の算定の基礎となる延べ面積の算定方法の合理化(令第2条第1項第4号並びに同条第3項関係)

2 適用対象について
本規定は、建築物の用途を問わず、令第2条第3項に規定する割合を上限として、以下に掲げる部分に適用される。

(2) 蓄電池を設ける部分(以下「蓄電池設置部分」という。)
「蓄電池」とは、蓄電池本体のほか、その蓄電機能を全うするために必要的に設けられる付加的な設備は対象に含める。
なお、「床に据え付ける」とは、床に据えて動かないように置くことをいい、いゆる据置型、定置型の蓄電池を想定している。

3 適用範囲について
本規定を適用させる部分については、壁で囲われた専用室であることを原則とする。ただし、蓄電池設置部分、自家発電設備設置部分及び貯水槽設置部分にあっては、壁で囲われた専用室でなくとも、当該設備を設けるために必要な範囲において、他の部分と明確に区画されていれば、当該部分の床面積を不算入として差し支えない。

4 他の容積率特例との関係について
本規定と適用対象が重複する容積率特例について、当該特例が適用となる部分の床面積の算定に際し、本規定の適用により不算入とした部分の床面積は含まない。

国土交通省より引用

【チ】自家発電設備の設置部分

平成24年9月27日付け 国住指第2315号・国住街第113号

建築基準法施行令の一部を改正する政令等の施行について(抄)

第1 容積率の算定の基礎となる延べ面積の算定方法の合理化(令第2条第1項第4号並びに同条第3項関係)

2 適用対象について
本規定は、建築物の用途を問わず、令第2条第3項に規定する割合を上限として、以下に掲げる部分に適用される。

(3) 自家発電設備を設ける部分(以下「自家発電設備設置部分」という。)
「自家発電設備」とは、同一敷地の建築物において電気を消費することを目的として発電する
設備をいい、発電機本体はもとより、発電機の稼働に必要な機器や燃料等を含むものである。

4 他の容積率特例との関係について
本規定と適用対象が重複する容積率特例について、当該特例が適用となる部分の床面積の算定に際し、本規定の適用により不算入とした部分の床面積は含まない。

国土交通省より引用

【リ】貯水槽の設置部分

平成24年9月27日付け 国住指第2315号・国住街第113号

建築基準法施行令の一部を改正する政令等の施行について(抄)

第1 容積率の算定の基礎となる延べ面積の算定方法の合理化(令第2条第1項第4号並びに同条第3項関係)

2 適用対象について
本規定は、建築物の用途を問わず、令第2条第3項に規定する割合を上限として、以下に掲げる部分に適用される。

(4) 貯水槽を設ける部分(以下「貯水槽設置部分」という。)
「貯水槽」とは、水を蓄える槽であり、修理や清掃等の限られた場合を除き内部に人が入ることのない構造を有するものをいう。なお、水の使用目的は問わない。

3 適用範囲について
本規定を適用させる部分については、壁で囲われた専用室であることを原則とする。ただし、蓄電池設置部分、自家発電設備設置部分及び貯水槽設置部分にあっては、壁で囲われた専用室でなくとも、当該設備を設けるために必要な範囲において、他の部分と明確に区画されていれば、当該部分の床面積を不算入として差し支えない。

4 他の容積率特例との関係について
本規定と適用対象が重複する容積率特例について、当該特例が適用となる部分の床面積の算定に際し、本規定の適用により不算入とした部分の床面積は含まない。

国土交通省より引用

【ヌ】宅配ボックスの設置部分

平成29年11月10日付け 国住街第127号

共同住宅の共用の廊下に宅配ボックス等を設置した場合の建築基準法第52条第6項の規定の運用について(抄)

宅配ボックス等を用いた宅配物又は郵便物(以下「宅配物等」という。)の一時的な保管及び当該宅配ボックス等への宅配物等の預け入れ並びに当該宅配ボックス等からの宅配物等の取り出しの用に供する部分であって、共同住宅の共用の廊下と扉等(火災により煙が発生した場合又は火災により温度が急激に上昇した場合のいずれかの場合に、自動的に閉鎖する防火戸であって、火災時等を除き常時開放されているものを除く。)で区画されておらず、当該廊下から直接出入りして利用される場合については、法第52条第6項に規定する共同住宅の共用の廊下の用に供する部分として、延べ面積には算入しないものと扱って差し支えない。

国土交通省より引用

平成30年9月21日付け 国住指第2075号・国住街第188号

第7 宅配ボックス設置部分に係る容積率規制の合理化(令第2条第1項第4号、第3項第6号及び令第137条の8関係)

1 適用対象になる宅配ボックスについて
宅配ボックス(配達された物品(荷受人が不在その他の事由により受け取ることができないものに限る。)の一時保管のための荷受箱をいう。以下同じ。)は、配達された物品の一時保管を目的に設置される設備であり、壁や床等に定着していないものや単なる物品の保管を目的に設置されたロッカーやトランクルーム等(管理人等が物品を預かった後、当該物品の一時保管を目的に設置されるものを含む。)については、本規定(令第2条第1項第4号ヘのことをいう。第7において同じ。)の対象とはならない。
また、宅配ボックスの機能について、外部電源を利用せずダイヤル錠等により施錠するもの、外部電源を利用して施錠するものの区分は問わないほか、荷受について、住宅に設置される場合のように居住者の利用を想定しているもの、事務所に設置される場合のように勤務者の利用を想定しているもの、商業施設等に設置される場合のように不特定多数の利用を想定しているものの区分も問わない。
なお、宅配ボックスには、配達された物品の一時保管機能に必要となる電子操作盤等のほか、構造上一体的に設けられた郵便物を受け取るための設備(いわゆる郵便受けほか、構造上一体的に設けられた郵便物を受け取るための設備(いわゆる郵便受け)や当該宅配ボックスに付加的に設けられるAED保管庫等の設備を含んでいても差し支えない。

2 宅配ボックス設置部分の範囲について
宅配ボックスを設ける部分(以下「宅配ボックス設置部分」という。)は、宅配ボックスの利用のために設ける室その他これに類する区画(当該区画内に郵便受けを設けるものを含む。)のほか、配達された物品の預け入れ又は取り出しの用に供する部分(当該部分の境界が壁その他これに類するものにより明確でない場合は、宅配ボックスの預け入れ又は取り出し面から前方に水平距離1メートルまでの部分とする。)を含むものとする。

3 他の容積率特例との関係等について
本規定は、法第52条第1項に規定する延べ面積(建築物の容積率の最低限度に関する規制に係る当該容積率の算定の基礎となる延べ面積を除く。)の定義に係るものであり、法第52条第6項等の規定に基づく容積率特例に先立って適用されることに留意すること。

国土交通省より引用

国土交通省の資料(参考図)

宅配ボックスに関しての取り扱いが,国土交通省より図で紹介してありますので,以下に掲げておきます。参考にしてください。

宅配ボックスの取り扱いその1(国土交通省)
宅配ボックスの取り扱いその1(国土交通省)
宅配ボックスの取り扱いその2(国土交通省)
宅配ボックスの取り扱いその2(国土交通省)

今後も法改正が予想されるので,随時紹介いたします。

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