令和４年の一級建築士の合格発表が，令和4年12月26日に発表されました。
合格された受験生はもちろん，残念ながら不合格になった受験生も大変お疲れ様でした。
今回の試験も，新型コロナウイルスの影響もあり，大変な年でした。
特記すべきことは，昨年に引き続き合格率が10%を切り，難化傾向が見られることです。
実務経験条件をクリアしていて，見事に合格された皆様は，あとは「登録免許税」6万円（弁護士・医師などの国家資格と同じ最高金額）を納付すれば，大臣登録され「一級建築士」となります。
直近２年（令和２，３年）と今回（令和４年）の合格率の比較
学科試験の合格率の比較
■令和２年 20.7%
■令和３年 15.2%
■令和４年 21.0%
近年の合格率は20%を超えており，やや易化傾向にあります。しかし，前回の試験の合格率は5.5ポイント低下しており，かなりの難関な年でした。今年は，通常に戻ったようです。
製図試験の合格率の比較
■令和２年 34.4%
■令和３年 35.9%
■令和４年 33.0%
学科試験と対照的に製図試験は，毎年同程度の合格率になっています。製図試験は，学科試験を合格した人しか受験できないので，そのような結果になっていると思われます。
総合合格率
■令和２年 10.6%
■令和３年 9.9%
■令和４年 9.9%
過去10年間の試験で最も合格率が低かった昨年と同じ合格率です。試験制度変更の影響も原因のひとつと考えられます。次回の試験も，合格率が10%を切る一桁の可能性も想像されます。
合格者の出身大学（高専等も含む）人数別ランキング一覧（10人以上）
以下の順位リストは，「大学名（人数）昨年との増減人数【大学入試の概略偏差値】昨年との順位比較」となっています。
- 1.日本大学（149）-4【55.0】→0
- 2.東京理科大学（123）-18【62.5】→0
- 3.芝浦工業大学（96）0【60.0】→0
- 4.早稲田大学（79）-9【65.0】↑1
- 5.近畿大学（74）+4【52.5】↓1
- 6.工学院大学（63）0【60.0】↑2
- 7.明治大学（60）-10【60.0】↓1
- 8.法政大学（56）-13【60.0】↑6
- 9.神戸大学（55）+1【60.0】↑2
- 10.千葉大学（52）-16【60.0】↓3
- 11.九州大学（48）+4【62.5】↑5
- 12.京都工芸繊維大学（46）-3【57.5】↓3
- 13.大阪工業大学（42）-13【52.5】↓13
- 14.関西大学（40）-6【57.5】↑8
- 15.熊本大学（39）+4【50.0】↑9
- 16.東京都市大学（武蔵工業大学）（38）-13【55.5】↓3
- 16.名城大学（38）-6【55.5】↑10
- 18.京都大学（36）-20【67.5】↓8
- 18.金沢工業大学（36）+1【45.0】↑2
- 20.横浜国立大学（35）+4【62.5】↑1
- 21.三重大学（34）+6【55.0】↑15
- 21.名古屋工業大学（34）-6【57.5】↓3
- 23.大阪市大学（33）-12【57.5】↑8
- 23.東京電気大学（33）-8【52.5】↓6
- 25.東京都立大学（首都大学東京）（31）-1【60.0】↑1
- 26.大阪大学（29）+9【62.5】↑21
- 26.東北大学（29）-4【62.5】↓4
- 26.東洋大学（29）-3【50.0】→0
- 26.立命館大学（29）-2【57.5】↑4
- 30.広島大学（27）-10【60.0】↓11
- 31.鹿児島大学（26）+5【47.5】↑14
- 31.東京工業大学（26）-3【67.5】↑2
- 31.豊橋技術科学大学（26）+10【45.0】↑27
- 34.室蘭工業大学（25）+2【42.5】↑18
- 34.東海大学（25）-5【50.0】↓2
- 36.愛知工業大学（24）-2【50.0】↑5
- 37.広島工業大学（23）-7【45.0】↑21
- 37.神奈川大学（23）-3【47.5】→0
- 37.中央工学校（23）+6【No-Data】↑21
- 40.信州大学（22）-22【55.0】↓11
- 40.東京大学（22）-11【67.5】↓11
- 40.北海道大学（22）-1【57.5】↑2
- 43.摂南大学（21）-3【47.5】↓3
- 43.千葉工業大学（21）-8【52.5】↓8
- 43.名古屋大学（21）-9【62.5】↓13
- 46.愛知産業大学（20）-2【42.5】↑6
- 47.日本工業大学（19）+6【40.0】↑19
- 48.慶應義塾大学（18）-1【62.5】↑1
- 48.前橋工科大学（18）-3【47.5】↓3
- 48.大分大学（18）-3【45.0】↑15
- 48.福井大学（18）-11【50.0】↓15
- 52.武庫川女子大学（17）+1【50.0】↑6
- 52.北海道科学大学（北海道工業大学）（17）+5【47.5】↑14
- 54.京都建築大学校（16）-6【No-Data】↓12
- 55.山口大学（16）+5【47.5】↑22
- 56.新潟大学（15）+No-Data【No-Data】↑No-Data
- 56.大阪工業技術専門学校（15）-3【No-Data】↓4
- 56.福岡大学（15）-10【50.0】↓17
- 59.滋賀県立大学（14）-2【47.5】↓1
- 60.日本女子大学（14）-10【60.0】↓20
- 61.宇都宮大学（13）-4【50.0】↓5
- 61.岐阜工業高等専門学校（13）+1【No-Data】↑5
- 61.東北工業大学（13）-7【45.0】↓14
- 61.奈良女子大学（13）+1【No-Data】↑5
- 61.武蔵野美術大学（13）-5【47.5】↓11
- 66.関東学院（12）-6【50.0】↓14
- 66.京都造形芸術大学（12）-1【No-Data】↓1
- 66.呉工業高等専門学校（12）+1【No-Data】↑11
- 66.公立大学法人名古屋市立大学（12）+1【52.5】↑11
- 66.神戸芸術工科大学（12）No-Data【No-Data】↑No-Data
- 71.宮城大学（11）-1【No-Data】↓5
- 71.中部大学（11）+1【47.5】↓5
- 73.九州工業大学（10）-2【No-Data】↓7
- 73.修成建設専門学校（10）-7【No-Data】↓17
- 73.秋田県立大学（10）+No-Data【45.0】↑No-Data
- 73.琉球大学（10）-2【No-Data】↓7
＊公益財団法人建築技術教育普及センター調べ
（補足）【 】内の数値は，2022年現在の建築系の大学入試のおおよその偏差値です。大学入試模擬試験を実施している予備校などの教育機関で数値は大きく異なります。また，入学年度によって差があります。言うまでもなく，偏差値は，大学の優劣を問うものではありません。
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