鋼材の規格
ヤング係数
- 鋼材のヤング係数は,強度によらず同じ値(2.05×105[N/mm2])
- 強度(降伏点,引張強さ)を変更しても,弾性たわみは変わらない。
降伏比
降伏比(降伏強度/引張強度)が小さいほど,(塑性)変形性能は高い。弾性たわみは変わらない。
鋼材の規格
許容応力度
- 基準強度F で示す。F値は「降状点」または「引張強さの70%」の小さいほうの値。
- 基準強度Fは,板厚40mmを超えると低い値となる。
- 圧縮・引張・曲げの長期許容応力度は,F/1.5
- せん断の長期許容応力度は,F/(1.5√3)
- 短期許容応力度は,長期の1. 5倍
高カボルト接合
- 高カボルト摩擦接合と高カボルト引張接合がある。
- 摩擦接合の耐力は摩擦面の数,すべり係数,設計ボルト張力に比例する。(二面摩擦は,一面摩擦の2倍の耐力がとれる)
溶接
完全溶込み溶接
母材に開先を作り,板厚全てを溶着金属で埋めて接合する。
すみ肉溶接
溶接継目の剪断力で応力伝達する。
l=l1+l2
溶接長さ:l
有効溶接長さ:l-2S
部分溶込み溶接
片面溶接でルート部に曲げまたは荷重の偏心によって生じる付加曲げによる引張応力が作用する場合には使用できない。これ以外の場合であれば,部分溶込み溶接を使用でき,母材と同じ許容応力度とすることができる。
併用継手
高力ボルトと溶接を併用した場合は,高力ボルトを先に施工した場合に限り,両者の耐力を加算できる。
圧縮材
- 細長比 λ= lk/i が大きくなるほど,許容圧縮応力度を低減する。
lk:部材の座屈長さ
i :断面2次半径 - 柱材の細長比は,200以下とする。
曲げ材
- 横座屈(強軸回りに曲げを受ける部材の圧縮側が急にはらみ出す現象)の防止のため、横補剛材を設置。
- 曲げ材は,圧縮フランジの支点間距離(横補剛間隔),曲げモーメントの分布などにより,許容曲げ応力度を低減する(横座屈の影響を考慮)。
- 箱形断面部材は横座屈が生じないので,許容曲げ応力度の低減は不要。許容引張応力度と同じ F/1.5 にできる。
- はりのたわみはスパンの 1/300以下,片持ばりの場合は 1/250以下とする。
- 高強度の鋼材を使用する場合のほうが,横補剛間隔が小さくなる。(補剛箇所数が多くなる)
局部座屈(幅厚比)
- 断面の平板部分の局部座屈を防止するために,幅厚比(幅/厚)の制限がある。
- 高強度の鋼材の方が幅厚比の制限が厳しい。(幅厚比の制限値が小さい)
筋かい
- 筋かい材の降伏後に塑性変形して地震のエネルギーを吸収できるように次式を満たすようにする。「接合部の破断耐力 ≧ 筋かいの降伏耐力の1.2倍」
- 筋かいを設けると変形能力が下がり,脆性破壊を招く恐れがあるので,水平力を割増して強度を補う。
- 山形鋼,溝形鋼をガセットプレートの片側だけに接合した場合,突出脚の 1/2の面積を無効と考えて断面算定を行う。(高力ボルトの本数により、無効部分を決める方法もある。)
柱脚
露出柱脚
ピンまたは剛接とみなせる場合以外は,半剛接
根巻き柱脚
根巻き高さは鉄骨柱径の 2.5倍以上
埋込み柱脚
埋込み深さは鉄骨柱径の 2.0倍以上
耐震設計の流れ
注記:上図において,「判断」とは設計者の設計方針に基づく判断のことである。例えば,高さ31m以下の建築物であっても,より詳細な検討を行う設計法である「ルート3」を選択する判断等のことを示している。
確認問題(YouTube)
参考文献:ポイント整理と確認問題(総合資格学院),国土交通省HP,建築関係法令集(井上書院) ,建築物の構造関係技術基準解説書(国土交通省国土技術政策総合研究所他), 構造設計一級建築士講習テキスト, 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 鋼構造設計便覧(JFEスチール株式会社)
リンク集
一級建築士学科試験対応版【重要ポイント整理と確認問題】
二級建築士学科試験対策にも活用してください。
学科Ⅰ(計画)
学科Ⅱ(環境・設備)
学科Ⅲ(法規)
学科Ⅳ(構造)知識編
04 「鉄筋コンクリート造」
学科Ⅴ(施工)
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二級建築士学科試験過去問
【hint!】「基礎対策に二級建築士学科試験は,基本的な良問が多いです。」
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