概要
「一級建築士」の「学科試験」の「対策」は,とにかく,過去問を数多く解くこと。
よく,耳にしますよね。
なぜですか?
それは本当なのです。
実際に,「令和元年度の一級建築士学科本試験」の出題で,分析してみましょう。
理科系的分析(その1)
「4肢択一式問題」なので,解答が「1~4」で一番多いのはどれかと気になりませんか?
とにかく,「足も手も出ない」問題に対して,どのような対応をしていますか?
おそらく,「勘」ですよね。
令和元年の学科Ⅰ~Ⅴすべての正答肢の数を分析してみます。
計算式は,正答肢別に算出した 「学科Ⅰ+学科Ⅱ+学科Ⅲ+学科Ⅳ+学科Ⅴ=合計数」です。
- 正答肢1 — 3+5+6+8+6=28
- 正答肢2 — 5+4+8+7+6=30
- 正答肢3 — 7+6+8+7+7=35
- 正答肢4 — 5+5+8+8+6=32
一番多い正答肢は,予想通り?「3」ですね。
確率的には, そんなにずば抜けていないです。
この結果をどう生かすかは,受験生本人が考えるべきですが...
あまり役に立たないですよね。
理科系的分析(その2)
すでにご存じの読者様が多いと思いますが,択一式問題で,解答する「コツ」があります。
「一級建築士の学科試験」でも適用できるのか考えてみます。
【ポイント!】
方法は,択一式問題の選択肢で同じものを抽出して,その数が多い選択肢を選ぶという解答方法です。
解答方法を以下に示します。
- 共通の解答を ○ で囲みます。
- ○の数を右側の空欄に書きます。
- 上記によって書いた○の数が一番多い選択肢を正答とします。
だいたいの択一式解答試験で,役に立った経験がありますが,はたして「一級建築士学科試験」ではどうでしょうか?
試しに,令和元年学科本試験 学科Ⅳ(構造)の [No.1] の問題で分析してみます。
(結論)すべての数が 1 なので,この方法では解答不可能です。
続いて,同じく令和元年学科本試験 学科Ⅳ(構造) の [No.2] の出題で分析してみます。
(結論)一番多い○の数は,選択肢「2」の3つです。正解は,まさしく「2」です。
たまたまなのでしょうか?
受験生は,この結果をどう受け止めますか?
(補足)この問題は,一級建築士の試験としては,かなり容易な問題です。ログハウスの梁の構造計算をしている私なら,数秒で解けます。このような容易な問題は,考えて解答することをお勧めします。
文科系的分析
問題を「数多く」解いていると,問題文の特徴があることに気がつくと思います。
「結論」から申し上げますと,
問題文の中に「一般的に」という用語が頻繫に出てきます。
試験科目別に,「一般に」という用語が記されていると,「正しい文章なのか?」「そうでないのか?」百分率で分析しました。
計算式は,[(正しい文章であった数)/(出現数)]です。
- 学科Ⅰ— [01/01] — 100%
- 学科Ⅱ— [10/11] — 91%
- 学科Ⅲ— [00/00] — no date
- 学科Ⅳ— [10/14] — 71%
- 学科Ⅴ— [00/00] — no date
どうしても解らない設問に対して,「一般に」という用語が問題文にあったら,正しい設問である確率が高いようです。
言うまでもなく,おすすめしない勉強方法です。
試験問題の性質上「択一式」なので,どうしてもわからない問題のみに適用することをお勧めします。
「学科試験」の最終的な合否は,1,2点を争うことになります。
その数点に貢献できれば,幸いです。
参考リンク集
一級建築士学科試験過去問
二級建築士学科試験過去問
【hint!】「基礎対策に二級建築士学科試験は,基本的な良問が多いです。」
一級建築士学科試験対応版【重要ポイント整理と確認問題】
二級建築士学科試験対策にも活用してください。
学科Ⅰ「計画」は,こちらです。
学科Ⅱ「環境・設備」は,こちらです。
学科Ⅲ「法規」は,こちらです。
学科Ⅳ「構造」は,こちらです。
学科Ⅴ「施工」は,こちらです。
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